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[ 戻る ]絵画展
2016-03-21 00:05:17 0 Comments
今日「白日会」展に行ってきました。(3月20日)
わりと絵は好きな方で、有名どころの絵画展には
本来出不精なのですが、
無理をしてでも出かけることにしています。
六本木の新国立美術館が会場だったのですが、
広かった........。
少し調べてみると白日会展は大正時代からの歴史がある
公募の絵画展で、毎年入選作品を今の時期
全国の会場を移動して展示しているとのことです。
今回あるご縁で招待券をいただき
私も初めてこの会のことを知ったのですが、
面白かった。
何が面白かったかというと、
来場者が絵の写真を撮っていたのです。
美術展で写真?
これは初体験でした。
多分、多くの来場者が作家さんの知り合い、
またはこの会の会員さんだったりするのでしょうね。
何気に聞こえてくる奥様集団の会話が、
「これ、上から白、入れてるわよね....。」
等々、この人も油絵やってるんだと思わせるような
会話が聞こえていました。
また、一枚の絵の前で子供が楽しそうに母親らしき人に
写真を撮ってもらっていたのですが、その子が
走り去ると、なんと、その絵に、その子そっくりの
男の子が描かれていたのです。
ビックリポンでしたね。
しかし絵に描かれた少年と実際の少年の差は歴然としていて
子供の生命力の輝きを、その絵からは感じ取れませんでした。
大変申し訳ないのですが、ピカソが描いた道化師に扮した
むすこのパウロの絵をピカソ展かポーラ美術館か
忘れたのですが、そのとき受けた息子に対する
巨大な愛情と眩い光の輝きの感動は忘れることができません。
天才と呼ばれる人達と絵の上手な一般人の差は
歴然としています。非常に残酷な世界です。
人物を描いたものも多くあり、写真と見間違えるような
リアルなものもあったのですが、モデルさんの
内面を描こうとして、結局、人の持つ醜い面ばかりを
追いかけているような悪い癖が流行病のように見受けられました。
あらゆる人には菩薩の顔と夜叉の顔があり、
どちらも人の持つ本質です。
余裕があれば菩薩の顔になりやすく、
追われ、傷つけられれば夜叉になる。
実にリアルに、
彼女たちの傷が描かれてしまっているのですが
あまり見たいものではありません。
その点、風景画には、素敵なものがありました。
もしかしたら、あまり評価されないのかもしれませんが
私には良い薬でした。
彫刻部門もあったのですが、
雷神の降臨という巨大な木彫があり、
どことなくユーモラスで
昔の大黒柱のように手ガンナで削りだした
ようなノミ跡の力強さが印象的でした。
ブロンズ像の多くは
だいたいが女性の裸体なのですが、
これもまた、凄惨さが漂い、
私は嫌いです。
一体、革ジャンを着たリーゼントの男性の
ブロンズ像がありましたが。
お仲間に向かって、へへへへへザマーミロと言ってるようで
これは面白かった。
全体を通して絵に描かれる人物たちの多くは無表情です、
特に描かれる女性は無表情で、心ここに在らずでした。
モネに代表される印象派の画家たちは、その一瞬の表情を
記憶し、心に留め、風や光のその「時」の印象を
心のままに描く、言い換えればリアルな現実を通して
そことは程遠い夢のような世界を描くことで、
世界中の人たちに支持され続けています。
その後のキュビズムから始まる抽象画は
面白いのですが、残念ながら鑑賞するには4つか5つ
自分の頭(目)を増やさなければいけません。
そのうち3D映像などで鑑賞できるようになるのでしょうが
それも、さほど遠くないのかもしれません。
絵画は、やはり作者が何を描きたいかにより
その姿が変わります。闇なのか夢なのか、愛なのか
19世紀の画家たちの中には明らかに光があった。
実際は貧困に喘いでいたとしても、
それが希望なのか神への信仰なのか、家族への愛なのかは
わかりませんが、純粋な何物にも汚されない結晶のような
暖かいものが私には感じられます。
現代の作家さんたちの作品を見て痛切にそのことを
感じさせられてきました。
久しぶりに絵画三昧の日でした。
それにしても会場が広くて迷子になりそうだった。
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