2020-04-29 08:44:11 0 Comments
つい最近、浅丘ルリ子さんの姿をテレビで見、
フーテンの虎さんを思い出しAmazonプライムに
リリーとの三部作あるのかなと探したのですが、
第一作の「男はつらいよ」だけプライムサービスで見ることができ、
そのレビューを見ていて愕然としてしました。
若い方のレビューだと思うのですが、何人かが
ああゆう人は嫌いだ、ダメ人間だ、セリフが下品だとボロクソです
本当に皆さん良い環境で、いいこ子ちゃんに育ったんだなと
思います。そして他人を見下している。
平成という時代はとんだ貴族を生み出した時代なのかもしれません。
そのくらい社会には格差が生まれ、かつての中流家庭と言われた階層が
下を見たらキリがなく、プライドだけが貴族並みに育ってしまった。
この方達が風俗嬢が可哀想だと言ってのける方達かもしれない。
その場で必死で生きている者を可哀想と言う奴らの気が知れません。
サラリーマンが好きでもない職場で嫌だ嫌だと言いながら
必死で働いているのと何ら変わりません。
寅さんの面白いところは、他人の痛みがわかりすぎ、
自分の気持ちを押し殺しても、相手を思いやる落語の
人情話に通じるところです。
そして渥美清の持つ愛情深い眼差しとその身から離れない
「底の見えない影」とのコントラストが魅力なのです。
どんなに深い傷でも受入れ共感し優しく覆ってくれる暖かさがある。
人情が優先してしまう人だから、近い相手にもそれを求めてしまう。
ただそれだけです。
そして、そんな虎さんを受け入れる家族の暖かさ。
自分の損得で家族や世間を考える人達には理解し難いところです。
寅さんを解説しなければならない日が来るなど思いもしませんでした。
綺麗事ばかりがはびこり、人情が衰退している証拠です。
他人を見下したり騙したりすれば、目に見えないところに傷が生じます。
その傷が自分につくとは限らない。これが怖いのです。
そのうち「人情」を解説しなければならない日が来るかもしれません。