2012-03-24 08:15:26 0 Comments
最近『聊齋志異』を読んでいるのですが、
色っぽい話しも多く
読んでいて厭きません。そんな中で
同じだなーと嘆息しながら読んだものに
「姉妹易嫁」(岩波本では上巻の四九になります)
とうお話があります。姉妹の話しなのですが
姉は、親が見込んだ男を気に入らず
婚礼の日になってもゴネテ親の顔を潰しかけた時
妹が姉のかわりになって男に嫁ぎ
その後男は出世していく。
姉は本人の意に添って金持ちの商家に嫁ぐのですが
間もなく没落し、食えなくなり尼になる。
尼になった姉は生活が苦しく
出世して戻った妹にお金を無心し
妹もそれとなく姉の顔を潰さないよう
お金ではなく絹布を送るのですが
姉はお金でなければいらないとそれを
送り返すのですが、実はその中に百両のお金が
入っていたのです。
それを受け取った妹は使いの者に
百両にも縁がないのであれば、これを渡しても
重荷にしかならないからと今度は五十両を持たせて
かえしました。それを聞いた姉は
ただ、溜め息をつき、みずから逆の道ばかりを選んで
悪い方悪い方へ歩んできた。人を恨む筋合いはない
と嘆いたそうです。
時代は作者が1640年生まれとあるので
日本では江戸時代の前期
原作は中国ですから清朝初期の作品です
今も昔も変わりません。
自分の運を知る者は少なくともこのような後悔はせずにすむかもしれません 知っていても、知っている通りに出来ないのが人間ですが、すくなくとも感情で反応したり、ものを言う事だけはやめた方がよいよいう教訓にはなると思います