2012-03-20 20:47:18 0 Comments
春分のことを書いていたら
T.S.エリオットの「荒地」にある「春は残酷な季節だ」を思い出した
(実際は、春はきわめて残酷な季節だとなっていた)
たしか、復活祭の贄にされる動物のことをよんだ詩だと
記憶していたのだが原文にあたると、どうもそれらしいことが
書かれていない。30何年も前に読んだきりで、
紅茶にひたしたマドレーヌでもあるまい、自分の記憶の
不確かさに辟易しているのだが、全体を通して読むと
やはり復活がテーマのようにも感じられる。
(第一次世界大戦の後の疲弊した時代)
戦争や死を間近に見た人間が、傷ついた自分の心を
取り戻すための旅路のようなものではなかったのだろうか
脈絡の無い単語が交えられ、分裂した心そのままのような、
それでも正気に戻ろうとするエネルギーが感じられる。
実際はわからないが、自分自身の狂気に寄り添う時
ちょうどこんなぐあいなのかもしれない。